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映画　チェ　28歳の革命

あらすじ：
1955年、貧しい人々を助けようと志す若き医師のチェ・ゲバラ（ベニチオ・デル・トロ）は、放浪中のメキシコでフィデル・カストロ（デミアン・ビチル）と運命的な出会いを果たす。キューバの革命を画策するカストロに共感したチェ・ゲバラは、すぐにゲリラ戦の指揮を執るようになる。

感想：
日本で英雄と謳われるのは、たとえば戦国時代の武将であったり、幕末では坂本竜馬だったり、新撰組であったり、年代によっては力道山や長島だったりするわけだが(?)、南米諸国でのチェ・ゲバラの人気（というかカリスマ性）というのは、我々日本人が想像するよりも遥かに大きなものなのである。（長さんでも勝てないのである・・・）

どちらかといえば、日本ではファッションとしてもてはやされる感のあるゲバラであるが、英雄というカテゴリー（？）で見れば、シーザーやジンギス・ハンなみにその名は世界中に知られている。それは、かのジョン・レノンに「最もかちょいい男♪」と言わしめたほどなのである。

しかし、70年代にはテロリスト的な、危険なイメージで語られることが多かったらしく、ここにきてやっと”英雄”としてもてはやされることになったようだ。

それを思うと、坂本竜馬など、彼の死後、その活躍が評価され、幕末の偉人の一人として語られているのであるが・・。

そんなゲバラの半生を描いたこの映画は、全て忠実に基づき、2部作から構成されている。 本作はその第一作目である。

おじさんも、彼がキューバでの革命成功の立役者だということぐらいしか知らなかった。日本ではあまり知られていない、ゲバラについて知ることの出来るよい機会かもしれない。そう思って観賞したけれど、1955年のカストロとの出会いから物語はじまるも、1964年の国連総会での演説を、ところどころに交えながら、首都ハバナへ進軍するところで第一作は幕をとじる。

終わり方が中途半端な感じで、これで余計に第二作目が見たくなった。

劇中の戦闘シーンはかなり迫力があり、その中で、ゲバラが指揮官としてだけではなく、ひどいぜんそく持ちということを抜きにすれば、一兵士としても優秀な人材だったことが伺える。

軍規を破ったものを容赦しない厳格な一面があるだけでなく、戦時下の悲惨な状況の中でも、読み書きが出来ないものたちに、勉強するように促す姿は、感動を覚えた。

混沌とした時代と状況を打開するには、本来、一番国を支えている底辺の人々への教育というところから、改革をしてゆかなければいけないということ なのだろう。

そんなゲバラを演じるベニチオ・デル・トロ、役作りのためかかなり減量したのだなと思っていたら、なんと25キロも減量したそうな！

そしてゲバラを演じるために、かなりのリサーチ作業を行ったという。

目が細いので、あまりゲバラっぽくないなと思っていたが、ちょっとした表情が、写真で見るゲバラにそっくりに見えるときが劇中で何度かあった。

彼はこの映画（第1、2作）で、2008年度カンヌ国際映画祭、主演男優賞を受賞。努力して役作りしたかいがあったといえるだろう。

とにかく、多少なりともゲバラだけでなく、キューバ革命についても予備知識を予習してから、この映画の観賞をお勧めしたい。

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